';

サイトメニュー

放射能泉の安全に関するガイドブックより

第四章「放射能泉の療養保養地情報」

5.村杉温泉

(1) 村杉温泉の位置

新潟県阿賀野市村杉温泉は新潟市より福島・会津若松方面へ約30km、名峰「五頭連峰県立自然公園」の一角に位置します。

(2) 村杉温泉の歴史と温泉文化

村杉温泉は、今から677年前建武2年(1335年)足利家の武将であった荒木正高が戦乱を逃れてこの地に着き、薬師如来のお告げにより温泉を発見したと言い伝えられております。現在の源泉1号井および2号井の後ろにある石段を登ると正高が建てたといわれる薬師堂が今も残り、当時の面影を感じさせてくれます。それ以前の村杉集落は、全く別の場所に位置し、その場所からは「村杉遺跡」と称し旧石器や縄文土器が出土されており、数万年前から人が住んでいたと言われております。前述の677年前に温泉が湧き出したと言うことから、現在の温泉街の方へ移住し、以降国有地払い下げを受け各自の土地を確保し、村杉温泉の原型が形作られ現在に至っております。

また温泉については、明治8年(1875年) 病気療養のために村杉を訪れた葛塚(旧豊 栄市)の遠藤七郎昭忠の提案により共同浴場を開設したと示されております。大正3年に新潟大学薬学士中山蘭教授らによる温泉分析の結果、ラジウムの含有量が世界レコードと示されており、当時の新聞等でも大々的に報道されております。また、当温泉は、古くから多くの文人、墨客らに愛され、近衛文麿、橋本関雪、河東碧悟桐、相馬御風、野口雨情等々、名士達の書、手紙などかけがえのない宝物が残 されており、県内はもちろん全国各地から多くの方々が訪れ、一世を風靡いたしました。現在も温泉の原型と言われている「薬師堂」、「源泉」、「共同浴場(外湯)藥師乃湯」の周りに「村杉共同露天風呂」「薬師の足湯」「飲泉所」を付帯させたミニスパエリアには人気スポットとして年間十数万人のお客様が訪れています。

(3) 村杉温泉 奇跡の源泉3号井発見

◎村杉温泉薬師の湯1号井
ラドン含有量 198.9×10-10キュリー/ kg 547 マッヘ/ kg 735.9 Bq 勇出量91.8㍑/分(自然湧出)
◎村杉温泉薬師の湯2号井ラドン含有量 93.1×10-10キュリー/kg 25.6マッへ/kg 344.4Bq 湧出量 64.0㍑/分(自然湧出) いずれも高い成分表示を示しております。
近年発見された薬師の湯3号井の温泉成分の分析を実施したところ、まれにみる奇跡的な数値と湧出量(自噴)が確認されました。
◎村杉温泉薬師の湯3号井 ラドン含有量 744.2×10-10キュリー/ kg 204.7 マッヘ/ kg 2753.5Bq 勇出量 483.0㍑/分 (自噴)(平成13年調ベ) また、湧出量においても、貴重な自然湧出 の1号井 91.8㍑/分、2号井 64.0㍑/分 があり、過去数名の学者の先生から「自然湧出でこれだけ濁りが無く、成分も高い温泉も珍しい。国宝級の源泉」と絶賛をいただいた経緯があります。3号井においては更に自噴で483.0㍑/分を記録しておりますので、素晴らしい数値であることを認識いたしております。

(4) 村杉温泉(単純放射能泉《ラジウム泉》) の効能

当温泉は古くから「子宝の湯」「痛風の湯」 「万病の湯」として訪れる方々に親しまれてまいりました。心や身体が癒され、とてもリフレッシュできる数が少なく貴重で効能が高い素晴らしい温泉です。この温泉の特徴は、入浴することで大きな効果が得られますが、飲泉そして何よりも気化したラドンを鼻や口から吸い込んでの効果が一番大きいと言われています。学者の先生の測定によりますと温泉街の空気中にもこのラドンが多量に含まれており、深呼吸するだけでも健康増進につながると話しておられました。

ラジウム温泉は、本来温泉や土壌、岩盤から発生するラドンや微量の放射線(人間 の身体に適量) が、肉体が本来持っている 自然治癒力を刺激・活性化させます(血流を良くし、細胞を活性化させ健康な状態をつくりだし、維持するということです)。 この微量のラドンや放射能が人間の自然 治癒力を刺激・活性化する効果を「放射線 のホルミシス効果」といいます。つまり、 ラジウムから発生するラドンや微量の放射 能がまるで薬のように私達の身体の潜在的 生命力を刺激し健康を維持するための元気をつくりだしてくれると文献に示されております。

◎一般的適応症
神經痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、 関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消 化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労 回復、健康増進に効能があります。
◎泉質別適応症
痛風、動脈硬化症、高血庄症、慢性胆囊炎、 胆石症、慢性皮膚病、慢性婦人病
◎一般的禁忌症
急性疾患 (特に熱のある場合)、活動性の 結核、悪性腫瘍、重い心臟病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他 一般に病勢進行中の疾患、妊娠中 (特に初 期と末期)
◎泉質別禁忌症   なし

(5) 村杉温泉が現在取り組んでいること

温泉地周辺の観光資源を活かした健康増進型保養温泉地創り
当地は雄大な自然環境に恵まれ、裏には五頭連峰県立自然公園が控えており、「全国森林浴の森100選」にも選ばれております。五頭連峰の各種登山ルートを始め、句碑・歌碑が250基余り立ち並ぶ文化の道「やまびこ通り」(林道100選農林水産大臣賞 受賞)、「五頭藥用植物園」「五頭山麓いこいの森」など自然環境を活かし、健康的に滞在環境をお楽しみ頂けます。

更に、当地は「ゆうきの里」として、全国的に有名な有機栽培地域でもあり、「食」に関しても平成12年5月からパルシステム生活協同組合連合会(旧生活協同組合連合会首都圏コープ事業連合)と「食料と 農業に関する基本協定」を締結しております。また、食と緑の交流センター「うららの森」では「情報発信館」・「体験学習館」・「ゆうきふれあい即売所」等の施設や「ブルーベリーの植栽」・「エゴマの栽培」・春は「菜の花」、秋は「コスモス」また「蛍の里」創りと観光協会や旅館組合、NPO法人、地域の住人達が参加して維持管理を行って います。今後も一般の皆様方に幅広く参加を呼びかけ、花畑の拡張や漢方等の栽培を 進め、体験メニューの充実も含め【健康の里拠点整備事業】を推進し温泉街との一体 感を深め、「温泉入浴+自然探索」+「ウォーキング・トレッキング」+「体験」+「健康食」+「森林セラピー」+「ラドンセラピー」等に産・学・医連携による「検診」+「医療」 を加え、様々なプログラムの策定を行い実践して参ります。

新鮮で安心な料理でおもてなしするためにも、無農薬・無化学肥料の米や健康野菜の産地として農業を守り、環境に配慮した温泉地になる」を地域のテーマとして掲げ、村杉温泉内で使用するシャンプーを生 分解性の高い物に替えたり、割りばしを洗って繰り返し使える天然木の塗り箸の使用に切り替えたり等、環境への配慮を十分に行っております。昨年度より五頭山麓緑資源ワークショップ戦略事業により遊歩道の整備事業を始め、薬草や草花の植栽等を行い滞在環境整備に邁進しています。

平成18年以降、知事の進言もあり、新潟県が推奨する「健康ビジネス連峰政策」に参画し、ラジウム温泉と地域資源を最大限有効活用したへルスツーリズム、アンチエイジングツアー等を実施する事により、大学や健康関連機関との連携により「エビデンス」の取得等を図りながら「ブランド化」を目指し、推進して参りました。
以下のような事業を展開致しております。

◆『ラジウム温泉でリフレッシュ&リラックス』
新潟県や健康関連機関、各大学機関との連携により開発した、温泉利用型健康増進プログラムです。温泉入浴指導員によるご家庭で実践出来る正しい入浴法の伝授や、名湯村杉温泉入浴、食薬同源の健康料理、ストレッチ運動や健康ヨガ体験など、大学教授他、専門家による健康講座等、”癒しと健康増進”の 健康管理指導プログラムの実践です。

◆『シニア遊学の旅in新潟』
アンチエイジングの第一人者である順天堂大学の白澤卓二教授監修の2泊3日のアンチエイジングツアーです。白澤教授の講演を始め、プロスキーヤー・登山家の三浦豪太氏による川魚掴み取り体験・沢登り体験、トータルフィットネスコーディネーターの中尾和子先生によるボールエクササイズ、温泉入浴指導員による正しい温泉入浴講座等、充実の講演内容です。また、ソバ打ち体験、エゴマ絞り体験、薬草入り餃子作り体験等、体験講座も御座います。お料理は白澤先生監修によるフードマイレージを重視し、カロリーや繊維質管理をしたアンチエイジングメニューを美味しくお召し上がりいただけます。

◆一般社団法人健康ビジネス協議会との連 携強化により、新潟薬科大学産官学連携推
進センターの平山匤男先生にによる「ラジウム温泉浴が健康成人の血管内皮機能、生理学的検査値 (FMD検査)」の実施を行い、新潟医学学会誌に4月号に掲載されました。

◆『たんばく調整・食と学びのツアー』
(株)バイオテックジャパン様との連携により開催した「たんぱく調整・食と学びのツアー」は一般社団法人健康ビジネス協議会の企業連携において商品化させて頂いたツアーです。医療食を研究開発している (株) バイオテックジャパン様の工場見学及び新商品の紹介・試食と当館自慢のラジウム温泉と自然の大庭園を満喫していただき、たんぱく調整を主とした地産地消の健 康食材をメインに医療向け新会席料理を堪 能頂き、身体の中と外からリフレッシュ& リラックスして頂く趣旨のツアーを実施。

以上のような展開を今後も、より内容の充実を図り継続的に実施していく予定です。

(6) 村杉温泉今後の構想と展開

一番大切なことは、源泉の維持管理だと思っております。また、ラジウム・ラドン についての知識を身につけ、マーケットへ 正確かつダイレクトな情報発信をしていくことが重要であると考えております。

村杉ラヂウム温泉風景利用策
大正10年には九州・湯布院に先駆け、日本初の林学博士である本多静六先生が訪れ、ラジウム温泉と雄大な自然環境を活用した壮大なる計画「村杉ラヂウム温泉風景利用策の復活」が提案され、今も新潟県立図書館に保存されています。本多静六博士は、当地は森林を有し土地の良好なる上にラヂウムを多量に含む温泉を有しているのですから、将来極めて有望にして大いに発展すべき資質を有するものと考えますと示されています。「風景利用策」の内容は、実に詳細で具体的に示されています。土地利用の平面図まで添えられ、ラジウム温泉の効能の素晴らしさは勿論のこと、森林浴の効能や登山道、遊歩道の整備や有効活用、展望台の設置、名物や土産物の提案まで描かれています。

今後の展開としては、100年近く実現出来なかった【夢の構想]を本多静六博士、現代版【村杉ラジウム温泉風景利用策】と位置づけ、開湯677年の歴史と全国トップレベルのラジウム含有量を誇る温泉と五頭連峰県立自然公園の雄大な自然環境の有効活用を図り、現在取り組んでいるヘルスツーリズム、アンチエイジングツアー等もさらなる内容の充実に努め、「環境」と「健康」をテーマとした温泉地創りを推進して参ります。

97p右

放射能泉の安全に関するガイドブック
Medical Guidebook of Radioactive Spring
2012年6月26日 初版第1刷発行
定価1050円(本体1000円十税)
ISBN978-4–9904694–1-2

◆出版協力
ラジウム・ラドン温泉を利用した健康日本推進連絡会議 日本温泉療法医会 一般社团法人日本温泉気候物理医学会 公益財回法人中央温泉研究所 一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所 社团法人日本温泉協会 日本温泉科学会 日本温泉地域学会 とっとり梨の花温泉郷広域観光協議会

◆編集
合田純人 放射能泉の安全に関するガイドブック編纂委員会

◆発行
特定非営利活動法人健康と温泉フォーラム 〒151-0066 東京都渋谷区西原1-50-2-403
TEL & FAX 03-6804-8575
E-mail info@onsen-forum.jp http://www.onsen-forum.jp

◆表紙デザイン
Hiroko Goda(Mirano)

◆編集・製作
株式会社ヒューレックス
〒150-0011東京都渋谷区東3-26-2第二長澤ビル3F
TEL 03-6805-0030 FAX 03-5766-8644
http://www.hurex-hd.jp
Medical Guidebook of Radioactive Spring
©The Forum on Thermalism in Japan ISBN978-4-9904694-1-2
©2012 printed in Japan 3500

出典:放射能泉の安全に関するガイドブックより

関連資料

この資料を共有する・教える トップページへ戻る