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奇跡の「温泉力」 より

第二章ガンの進行が止まった!

共同浴場のひとびと

村杉温泉共同浴場周辺には、三つの源泉が集まっている。中でも、二〇〇一年に発見された三号井は、国内最大級の二〇四・七マッヘ、ラジウム泉にしては驚異的な毎分四八三リットルの湧出量を誇る。通常の温泉の平均湧出量が源泉一本で毎分約百リットルのところ、放射能泉の場合は毎分二十~五十リットルとされる。ある有名温泉研究者が、「国宝級!」と感嘆したのもうなづける話だ。

三号井のデータをもう少し詳しく見ると、
【源泉名】 村杉温泉 薬師乃湯三号井
【泉質名】 単純放射能温泉 ( ラジウム温泉 弱アルカリ性 低張性 低温泉 )
【湧出地におけるラドン(Rn)の測定】ラドン (Rn) 七四四・二×十マイナス十乗キューリー/kg  二〇四・七マッヘ/kg
【泉温】 二十六℃
【浴槽湯温】 四十一℃前後
【湧出量】 毎分四八〇リットル
【外観】 無色・透明
【臭味】 無臭・無味
【PH値】八・〇(弱アルカリ性)
【浴用の適応症】
・一般的適応症 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、健康増進
・泉質別適応症 痛風、動脈硬化症、高血圧症、慢性胆嚢炎、胆石症、慢性皮膚病、慢性婦人病
※「泉質別適応症」はラジウム温泉特有の適応症

放射能泉の評価は測定場所や時期、時間、時代によって変化する。効果も同様。特にラドンは気体のため、水中から空気中に放散し、さらに評価が難しい。実際、大正時代の調査で含有量がトップクラスだった温泉がその後枯渇したり、秋田の玉川温泉のように、ラジウムやラドンの測定値が大きくなくても、独自の岩盤浴によって大きな効果をあげている例もあるからだ。

それでも、昔からラジウム温泉として知られる地域では、その効果が研究実証されてきた。もっとも有名なのが鳥取県の三朝温泉。昭和十四年に岡山大学の温泉療養所(後の放射能温泉研究所) が設立され、三朝温泉地域ではガンの発生率が全国平均の半分近いことを統計的に証明した。世界的にはオーストリアのガスタインが知られている。かつて金を採取していた廃坑にラドンガスが発見され、坑道を利用してラドン吸入療法を行っている。また、ラジウム温泉は、古くから重曹泉、硫黄泉などとともに、三大美肌の湯とも呼ばれ、お湯に含まれるラドンが肌の老化防止にも効果的といわれてきた。本多博士の講話(第六章)にもそのくだりがあり、大正期から、効能のひとつとして知られていたことがわかる(これらの科学的な研究について詳しくは第四章へ)。

村杉温泉街の中心には、源泉、共同浴場「薬師乃湯」、村杉共同露天風呂、足湯、薬師堂などの施設が集まり、大量のラドンが放出されている。初めてその共同浴場を訪れた時、番台にいた大野チエ子さんに注意された。
「ここのお湯はね、お湯の中だけでなくて空中にラドンがあるから、それを吸い込むのさ。洗い場に腰掛があるすけ、そこでも空気を吸ってごらん」
ラジウム温泉では、入浴による皮膚吸収だけでなく、空中のラドンを鼻から深呼吸して呼吸器から、飲泉で消化器からもラジウムやラドンを吸収する。このために、露天風呂よりも、内湯の窓を閉め切った状態で半身浴をしながら入るのが効果的だという。風呂だけではない。調査では村の空気中からもラドンが検出されており、温泉街を歩いているだけで効果があるという。もちろん、周辺の森林を散歩することで、森林浴とあわせた効果も。共同浴場の入浴料は大人二五〇円(月極め五千円)、子供(小学生以下) 一五〇円と、銭湯より安い。こんなふうで経営は大丈夫なんだろうか、とよけいな心配。驚異の効果に、この安さもあってか、平日昼間から人が絶える時間がほとんどない。大野さんが「最近、とくに忙しくてたいへんなんだがね」と、言葉とはうらはら、うれしそうに語るとおり、平日の午前午後、土曜日曜と日を替えて何度も通ったが、言葉通り人がいない時間がない。

訪れる人も様々だ。毎日二回は入るという、肌つやつやの老人。近くの工事現場から、噂を聞いてやってきたというニッカの二十代三人組。「もうすぐガンの手術なんだわ」と、心配そうな六十がらみの男性。浴槽はそれほど大きくない。いっせいに浸かれば、十人でいっぱいくらい。浴場の中では、みな、黙っている。ひたすら湯につかり、腰掛で瞑想し、体を洗い、また湯につかる。計ってみると、平均三十分くらい。ベテランになると、それぞれなりの入浴のパターンがあることに気づく。浴場では話しかけることがためらわれるため、もっぱら脱衣所と、浴場を出たところにあるベンチで話を聞いてみた。

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薬師乃湯に訪れる人々は多種多様だが、みんないい笑顔だ。

喘息で十四年前から月極めで通う六十代男性

近くの月岡温泉に五年通って、その前にとなりの出湯温泉に行って。私、喘息なんですよ、二十数年来。今も病院に通ってます。喘息のきっかけはゴミ屋だった。それが原因じゃないかと思う。職業病だね。自分で探してここに通うようになったんだけど、効きますよ~。ここの宣伝するわけじゃないけど、調子いいですね。あんまり言うと混むと悪いから(笑)。初めは五十三年頃かな、最初は街医者に行ったけど、なかなか治らなくて、県立病院に行ったらすぐに「喘息だ」と。先生によって調子も変わるけど、ここへ来て調子よかったから通ってる。一番いいのは懐にいいこと(笑)。ケーシー高峰さんがNHKで言ってた。「宝くじなんか買わない」と。健康が一等であれば。健康が一番。お金では買えないからね。今は毎日来てる。月極めで五千円払って。毎日通うとガソリン代のほうが高くつくんさ。金曜日はうちのかあちゃん連れて、友達も月曜日から木曜日に連れてきてる。その分はまた自分で払わないとだめだけどね(笑)喘息は完治したかどうか、まだわかりません、喘息と糖尿は絶対治らないと言われてるからね。ただ、自分ではね(治ったと思う)。先生に「もう治療いりません」って言われたんだ。何十年も喘息してたのが。三年ぐらい前だね、「治りました」って言われたの。(大野さん「私も喘息だったけど、完全に治ったんさ。一生治らないですよって医者に言われた病気が」「燃料代がこんだけ上がっても値段は変えたくない。みなさん、来てくださるから。燃料が高騰したときは値上げの相談もしたんだけど、上げないでよかった(笑)」)

ひざと肺炎で通う六十代男性

おととしの夏かな、ひざやられて。ナンコツだって言われたけど。ナンコツ(のクッションが減って)擦れてると。医者に三ヶ月くらい毎日行って低周波みたいな電気あてたけど、全然効果がない。その年の九月終りぐらいにここへ来始めた。ここはラジウムでしょ。自分で勝手にいいんじゃないかと思って。気のせいか、一週間くらいで、あれ?っと思った。 けっこう(効果がでるのは)早いんだね。風呂なんか長くいるの好きじゃないんだけど、浸かって、浴室で足だけでもつけたりして四十~五十分我慢してたんだわ。ラジウムだから、鼻から吸入してもいいかな、なんて思ってね。前は露天風呂も行ってたんだけど、室内の蒸気もいいっていうもんだから。それと一回肺炎みたいになったこともある。運動するときつくて、「肺に影がある」って言われたんだ。検査で肺ガンではなかったけど気になってね。ひざと肺、すごい調子よくなりました。ここに来た日に印つけてたら百二回くらい来てるんだよ。それで治った。からだの調子もいいし。そんなもんだからついついまた来ちゃうんだな。家からここまで、朝の通勤時間帯だと一時間くらいはかかる。だから暇な時間帯をねらって。朝くると風呂も混んでるし。みなさん、午前中、お湯がきれいだなんていってね。お湯がちくちくすんだよね。あっちぇすけ。きれいだけどね。痛みもそうだし、俺、マヒしてたのが、今は杖なしで歩けるんさ。雑誌にも出てた。新潟大学の先生が研究して、ラドンの含有量は日本一だとか。身近にこんなのがあるのに利用しない手はない。鉱石を買ってうちでも使ってるけど、こっちは効くか効かないか。

◇関西から糖尿で通う五十代男性

日本全国、あちこちいろんな所行ってます。ここに来て一年半ぐらいかな。初めは偶然。出湯温泉とか月岡温泉とかあちこち行ってて。なんか一番体に合うんだ。糖尿なんで、足のしびれとかにね、一番効きます。足の調子が良くなって、翌日とか、寝る時に気分がいいし、足の具合がいい。温泉はもともと好きだったんです。玉川温泉にも行ったことがあるけど、ここはお客さんが多い。人気ありますよ。

◇新潟市からヘルニアの治療で通う三十代男性代行運転手

高校時代、椎間板ヘルニアやって、とうとう三年くらい前、爆発する感じでね。 朝起きて、隣りに嫁が寝ていて、「ちっと肩貸してくれ、歩けねえってか立てねぇ」って。嫁さん、前の日まではちゃんと普通に痛み我慢しながらも歩いてるの見てるから、冗談かと思ったみたいだけど、ホントに立ち上がれないのを見てこれは大事だと。嫁さんに肩かりてトイレ行った後、家の近所にある整形外科に飛び込んだら、「あんた今日から入院だな」って言われて。退院して、まるっきり指は動かないし、ズボンを立ってはいたり脱いだり全然できねかった。家の中でも杖をついてた。その後、ここに三ヶ月毎日通ってたら、三ヶ月目には立ってズボンはいたりパンツはいたり出来るようになったんだ。効くよ!自分の意思で右足動かすのがまるっきり出来なかったのが、今は指も動くし。番台のおばちゃんに聞けばわかる。毎日、ここまで杖もってきて入ってたんだもん。医者にも、「効いてるって実感があるなら毎日続けられるかぎり続けた方がいい」と言われてた。市民病院の先生だったけどね、医者も奨めるくらいだから。代行の仕事は八年くらいかな。駐車場から事務所は距離が長いから杖をついてるけど、短い距離なら杖はいらない。 腰に爆弾を抱えているので、痛みを我慢しつつ、季節の変わり目になるとここに通ってる。春から夏にかけてとか、週二回くらい、自分の休みに合わせてね。まだ、マヒがちょっと残ってるんだ。動きがぎこちないでしょう。足の太さを見ると全然ちがうのがわかるよ。右が細い。筋力が落ちて。だましだましだね。

共同浴場のアンケート(平成五年実施)からも見てみよう。(村杉温泉組合「村杉温泉『村杉温泉薬師乃湯』ホームページよりhttp://www.yakushinoyu.com/)

◇総合病院で肝臓に親指大2センチ位の影があると診断されたが、薬師乃湯に通ったら半年後の検査で影が完全に消え身体の調子も良くなり健康体に戻った。 (阿賀野市 女性)
◇手や膝の関節痛の為、座る事も歩く事にも困難な状態であったが、村杉温泉の薬師乃湯が良いと聞き、藁をつかむ思いで通ったところ、2ヶ月位から痛みもやわらぎ今では、殆ど痛みもなく元の身体に戻りました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。有難うございます。 (阿賀野市 男性)
◇足腰の神経痛で満足に歩けず、引きずるような歩き方でしたが、この村杉温泉に通ったら1ヶ月位で痛みも消え元の身体に戻りました。その後も通い続け今では日課となっています。(新発田市 男性)
◇薬師乃湯に心も身体も癒されています。本当に気持ちが良くて番台のおばちゃまも元気良くていい人です。すっごく優しくて大好きです。私のおばあちゃんになって欲しいくらいです。有難うございました。(阿賀野市 女性 )
◇昔の丸いお風呂は熱すぎましたが、今はちょうど良い温度です。また駐車場も広くなり、便利になりました。(阿賀野市 男性)
◇3年前の定期健診で胆のうに腫瘍が見つかったが、ラジウム温泉のおかげで、医師に指摘されることもなく、今では健康に過ごしています。(阿賀野市 女性)
◇2年前にガンの手術をした。リハビリを兼ね村杉のラジウム温泉に通っているが、その後の経過も良く毎日が楽しい。(阿賀野市 男性)
◇1年前にガンの手術をしました。その後、ガン予防と術後の体力回復を兼ねて来るようになりました(父の勧めで)。現在はガンの再発も見られず、いたって体調は良いです。(五泉市 女性)

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大野チエ子さんは共同浴場の番台を守って14年目。気さくな人柄にファンも多い。

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