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観光経済新聞(2014年4月12日)記事 より

妊婦さんも入浴OKに。39年ぶり禁忌症から削除へ

環境省より32年ぶりの見直しが行われた、妊婦の入浴に関する記事のご紹介です。

温泉には効能があるとされている「適応症」と、逆に悪化させることが懸念される「禁忌症」が御座います。

さらに、すべての温泉に当てはまる「一般的適応症」「一般的禁忌症」
各温泉特有の「泉質別適応症」「泉質別禁忌症」にわかれます。

村杉温泉の適応症・禁忌症(2014年4月当時)

一般的適応症

神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進

泉質別適応症

痛風、動脈硬化症、高血圧症、慢性胆嚢炎、胆石症、慢性皮膚病、慢性婦人病

一般的禁忌症

急性疾患(特に熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他一般に病勢進行中の疾患、妊娠中(特に初期と末期)

泉質別禁忌症

なし

この中で、すべての温泉に当てはまる一般的禁忌症の中に妊娠中(特に初期と末期)という項目が御座います。
この項目については、根拠が不明瞭で度々議論が起こっておりました。

そして2014年、環境省より32年ぶりの見直しが行われ、禁忌症から削除される事が決まりました。
以下、2014年4月12日の観光経済新聞1面記事をご紹介します。

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環境省の中央環境審議会自然環境部は3日、温泉小委員会(委員長、下村章男・東大大学院教授)を開き、温泉法で定められている注意書きや効能などの掲示内容を見直す事を決めた。32年ぶりの見直しとなり、禁忌症から「妊娠中」の文言を削除することになった。
 同省は夏頃をめどに新たな基準を都道府県知事に通知する方針。日本温泉協会は「会員に対して徹底したい」と話している。

小委は同日、「温泉法第18条第1項の規定に基づく禁忌症および入浴または飲用上の注意等の掲示について」審議した。
温泉法では温泉の効能や、温泉に入る事が健康上適さない禁忌症状などを掲示することが定められている。その基準は1982年に定められたものであり、温泉の一般的禁忌症として「妊娠中(特に初期と末期)」という項目が入っている。
根拠が不明で、同省も「これまで(禁忌症に)入っていた理由がわからない」としている。「妊娠中は体を大事にしなければならず、温泉成分によっては滑りやすいことや、足元が見えにくいこともあったので、何となく『避けるべきだ』となったのでは」との推測もある。結局、医学的な根拠がないことから削除することにした。

飲用の禁忌症について、現行基準で「泉質別」の記載としていた内容を見直し、改定案では成分の濃度により区分けし、含有成分別禁忌症を追加した。

また、適応症の掲示基準について、療養泉の一般適応症の中に「自律神経失調症」や「ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ病など)」を新たに追加した。ストレスの多い現代社会の実情を反映させたものといえる。
環境省の通知が出されれば、旅館などは温泉施設の脱衣所にある掲示板から削除しなければならないことになる。

出典:観光経済新聞(2014年4月12日)記事

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